突然ですが、持ち手の修理の依頼です。
「浅草橋の革屋さんで、こちらをを紹介していただいた。」との事で、来店されました。
持ち込まれた鞄は「BREE」の鞄です。見ての通り
かなり使い込まれて、良い感じになっていますが。残念なことに持ち手が終わっています。
もうちょっと、近くで見てみましょう。 反対側も限界です。
オーナーの方と話をしてるうちに、この鞄に対する熱い思いが伝わって来て。
この鞄を「死ぬまで使い続けたい」なんて言われては。
もう、やるしかありません。
まずは、もともと付いてた「持ち手を」じっくり観察します。
結構、薄い芯に革を包んでる事がわかります。
オーナーの方は、仕事で重たい物を入れるとの事なので、各部の革の厚み・革材を吟味します。
今回、持ち手の芯には硬さに定評のあるブライドルレザーを選びました。
芯に革を巻いていきます。
手カンに持ち手ベースを通して、接着します。
革の張りが強く、接着だけでは手カンの周辺は、剥がれてしまうので根元だけを縫い付けます。
これで、表の革が巻きやすくなります。
続いて、表革を巻いていきます。
長さを整え、くるっと巻いて
中心に、ピッタリ揃えていきます。
修理ならではですが、鞄に取り付けてからの縫いは、ミシンでは難しいので手縫いでやりますが。それでも縫い辛いのは変わりません。
無理に針を引っ張って、万が一にでも鞄に傷を付けることがあってはならないので、地券紙で養生します。
ぐるりと、一周縫って完成です。
これで「持ち手」だけで言えば、次の世代まで余裕で持つでしょう。
今までと同じ条件で使用するなら 最低でも、10年は問題なく使用できるでしょう。
□ 修理期間:2日
□ 修理費用:¥22,000(税込)
◯ 期間・費用は、作業状況・修理度合いによって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
◯ 色の補修は専門外の為、お受けする事ができません。